愛知県産業労働部との交流会 日時:平成30年12月18日(火) あいち・なごや強靭化共創センターにて、愛知県産業労働部との交流会を開催致しました。 交流会の舞台となりましたのは、名古屋大学減災館内にある「あいち・なごや強靭化共創センター」です。本センターは、大規模自然災害の発生に備え、産学官で戦略的に愛知・名古屋の強靱化を推進するため、愛知県、名古屋市、名古屋大学が共同で設立した施設であり、主に地域社会のニーズにマッチした防災・減災対策の研究開発や防災活動の支援などを行っております。本日は、名古屋大学減災連携研究センター教授の西川智氏に「企業のBCP」についてご講演いただき、その中で、地震大国である日本において事業を継続していくにはどのような意識が大切であるかを学びました。 交流会開会にあたり、広報渉外委員長の竹内理氏より開会の挨拶があり、続いて若鯱会代表幹事の奥野幸一朗氏より、お言葉を頂戴致します。
奥野代表幹事も仰っておりましたが、今年、日本各地で地震や台風などの様々な災害が起こった中で、愛知県だけがまだ大きな被害を受けておりません。このことは、これから起こり得るだろう災害に向けた対策が甘くなる要因となるので、愛知県で生活し、事業を営んでいる者として危機感を持ち、今般の講演を通じてしっかりと対策を講じていく必要があります。 次に、愛知県産業労働部中小企業金融課課長補佐の藤原浩史氏よりご挨拶のお言葉を賜りました。また、愛知県の産業労働施策として、輸送機器(自動車)産業に依存した現状から打破するため、航空宇宙産業やロボット産業など、多種多様な産業の育成に力を入れた取り組みについてご紹介いただきました。 両者のご挨拶を終えたところで、西川教授によるご講演に移ります。西川教授は名古屋大学に来られる以前は、国の防災行政の中心的な官僚として災害対策に取り組まれていた経歴をお持ちです。その際に、大規模災害によって事業の復旧が大幅に遅れ、業績不振に陥った企業をたくさん目の当たりにしてきたと語ります。災害は避けて通ることが出来ないので、企業としては、災害に遭った時に、如何に被害を少なくできるかを普段から考え、対策を講じておくことが重要です。 現在では、南海トラフ巨大地震が近年中に必ず起きると言われております。先述したとおり、東海地方は近年、大きな地震の被害がないので、他県と比較して、災害対策意識が甘いように感じます。では具体的に、私たち経営者は、自社と自社の社員を守るためにどうしたら良いのでしょうか。そのためには先ず、経営者であるトップ陣営がBCP作りを意識し、日常の業務からBCPの観点を加えることが必要不可欠であると西川氏は仰います。社内の定期的な訓練はもちろんのこと、地域企業のBCPとの連携、経営方針にもBCPの観点を加え、軌道修正する経営判断が重要となります。 「BCPが企業の存続にとって重要なことは理解したが、我々のような中小零細企業では、正直なところまだBCP整備まで手が回っていない。最初に先ず何を始めたらよいか」という質問に対し、西川氏は、「企業にとって大事な情報を守ることを意識してください」と仰いました。企業にとって一番大事な情報は、人材であるから、自社の社員を守るため、社内の家具の配置を気にするなどの対策を講じることが出来ます。人材を失うことが、中小企業にとっては企業経営の破綻に直結し得ることを西川氏にご教示頂きました。 興味深い西川氏によるご講演の時間はあっという間に過ぎ、交流会閉会の時間となりました。閉会の挨拶を、広報渉外委員会副代表幹事の上岡睦氏よりいただきました。上岡氏も東海豪雨の際に被災されたそうです。当時の経験をもとに、いかに普段からのBCP整備が企業にとって重要であるかをお話しいただきました。
閉会後は、減災館を見学させていただきました。減災館では、南海トラフ地震が実際に起こった際にどれほどの被害に遭うのかを様々な技術で分かりやすく表現されておりました。館内の技術を通して被害を模擬体験してみると、近未来に起こる大規模災害がいかに恐ろしいものであるかを痛感致します。 今般の交流会で得たBCPにまつわる情報や知識の中には、明日からでもすぐに実践できることもあります。是非とも社内に持ち帰り、経営者として自社や社員を守るために役立てたいものです。 (記事:8G中垣内綾奈 広報渉外委員、写真:12G梶田香織 広報渉外委員)
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